いびきに気づいた夜と、気づかなかった無呼吸。マウスピース作成までの記録 その1
いびきに気づいた日、“口閉じテープ”の夜
結婚して初めて、自分が夜中から朝までずっと大いびきをかいていた事を知った。
――それは、いまから15年ほど前の話になる。
若いころから「いびきをかいてるかも?」という自覚はあった。
親に「疲れてたのか、いびき聞こえてたよ」と言われたこともある。
いびきは治るのだろうか
いびきが迷惑だったとは思う。
けれど、自分には寝ている間のことなので自覚がない。
「人間なんだから、誰でもいびきくらいかくやろ」と開き直るような気持ちもあった。
でも、自分でコントロールできないことを責められるつらさもある。私にどうしろと?
それでも、夫の一言がきっかけで、事態の深刻さに気づいていく。
自分のいびきで目が覚めた夜
ある晩、「グゴッ!」という大きな音で目が覚めた。
……地震? いや違う。音が止まった。
少しして、また「グォォ…」と唸るような音。
まさか、これ……私?
そう、自分のいびきだった。
夫に聞いてみると「毎日いびきかいてるよ」と、あっさり。
録音してみたら……朝まで延々と続く、エンジン音のような大いびき。
初めて、自分が周囲に与えていた影響を思い知った瞬間だった。
夫が渡してきた「いびき対策グッズ」
夫:「口開けて寝てるから、閉じてみたら?」
そう言って渡されたのは「口閉じテープ」。
屈辱的な気もしたけれど、試してみることにした。
口を閉じても、いびきは止まらなかった
テープで口を閉じた夜。
翌朝の夫の一言――
「昨日も鳴ってたよ。バイク。」
……がーん。
やっぱり鼻? 姿勢? テープでは解決しなかった。
私は座っている時でさえ、たまにいびきをかいていた。
もしかして、ずっと知らないうちに、爆音をまき散らしていたのかもしれない。
自然にできた「別々の部屋」
子どもが生まれてから、私は寝かしつけの流れで子どもと一緒に寝るようになった。
夫は自然と別の部屋へ。
誰も「別々に寝よう」と決めたわけじゃないのに、いつの間にかそうなっていた。
結婚当初、口閉じテープを渡されたことが、夫なりのサインだったのかもしれない。
私のいびきだけが原因ではないにせよ、
そこにあった「違和感」や「距離感」に、もっと早く気づいていれば――
次回予告
私のいびきの裏にあった“本当の問題”――「無呼吸」の存在に気づいたきっかけと、
そこから始まった簡易検査の話は、次回に続きます。